結論:トレーディングカードを事業として売る場合、古物商許可が要るかどうかは「何を、誰から仕入れるか」で決まります。一般の方やフリマ・他の古物商から中古品や一度消費者の手に渡ったカードを買い取って売るなら、許可が必要です。メーカーや卸売業者から流通している新品を仕入れて売るだけなら、仕入れた物が「古物」に当たらないため、通常は許可の対象になりません。
この記事でわかること
- 古物営業法の「古物」と「古物営業」の意味(未開封でも古物になる場合)
- 仕入れ経路ごとの、許可が要る・要らないの判定
- 許可を受けたあとに守ること(帳簿・本人確認・サイトの表示など)
この記事は、トレーディングカードの販売を事業として始める方・仕入れ経路を広げる方に向けた整理です。法令と警察庁の解釈運用基準(2026年5月14日付)を2026年10月27日に確認しています。個別の判断は、主たる営業所を管轄する警察署(生活安全課など)にご確認ください。
1. 「古物」は中古品だけではない
古物営業法の「古物」は、一度使用された物品、使用されない物品で使用のために取引されたもの、またはこれらに幾分の手入れをしたものです(古物営業法2条1項)。
警察庁の解釈運用基準は、「使用のために取引されたもの」を「自分が使う、または他人に使わせる目的で購入等されたもの」と説明し、小売店などから一度でも一般消費者の手に渡った物品は、未使用でも古物に当たるとしています。トレーディングカードに当てはめると、次のように考えられます。
- 一般の方が店で買った未開封のパックやボックス、シングルカード → 古物に当たる
- メーカーから卸売業者・小売業者へと、事業者の間で販売のために流通している新品 → 消費者の手に渡っていないため、通常は古物に当たらない
2. 「古物営業」は、古物を買い取って売る営業
許可が必要な古物営業(古物商の営業)は、古物を売買・交換する営業、または委託を受けて売買・交換する営業です。ただし、古物を売るだけの営業と、自分が売った物をその相手から買い戻すだけの営業は除かれます(古物営業法2条2項1号)。
「営業」は、営利の目的で同じ種類の行為を反復継続して行うことで、本業でなく副業として行う場合も含まれます(警察庁 解釈運用基準 第3の1)。古物商の許可を受けずに古物営業を営むと、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(古物営業法31条)。
3. 仕入れ経路ごとの判定表
| 仕入れ方と売り方 | 許可 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| メーカー・卸売業者から新品を仕入れて売る | 通常は不要 | 事業者間で販売のために流通している新品は、消費者の手に渡っていないため古物に当たらないと考えられます。仕入れ先が一般の方から集めた物を混ぜている場合は別です |
| 一般の方から買い取って売る(店頭・宅配・出張) | 必要 | 未開封でも古物です。買い取りが古物の売買に当たります |
| フリマアプリ・オークションで仕入れて売る | 必要 | 出品者の多くは一般の方で、買った物は古物です。転売目的で反復して仕入れれば古物営業に当たります |
| 他の古物商・カードショップから中古品を仕入れて売る | 必要 | 相手が古物商でも、古物を買い取って売る営業であることは変わりません |
| 委託を受けて売る(販売代行で手数料を受け取る) | 必要 | 「委託を受けて売買する営業」が古物営業に含まれます |
| 自分が使うために買った物を売るだけ | 不要 | 古物を売るだけの行為は、古物営業から除かれます |
| 無償または引取料をもらって引き取った物を売る | 不要 | 警察庁の基準は、買取りをせず売るだけの形態は対象外とし、買取りを行えば古物営業に当たるとしています |
| 自分が売った相手から、その物を買い戻すだけ | 不要 | 第三者を介して買い戻す場合は該当します(警察庁 基準 第3の2(2)) |
| 海外で仕入れて国内で売る | 警察署に確認 | 警察庁の基準に明示がなく、解説によって見解が分かれます。仕入れ先が一般の方か、国内での買受けがあるかで変わりうるため、所轄の警察署に確認してください |
判定に迷う典型は「新品として仕入れたつもりのカードの中に、一般の方から集めた物が含まれていた」場合です。仕入れ先に、商品がどこから来たものかを確認しておくと、判断がしやすくなります。仕入れ先そのものを確かめる手順はトレカの仕入れ先を確かめる方法にまとめています。
4. 許可の申請で決めておくこと
許可は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会が出します(古物営業法3条・5条)。申請書は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を経由して提出します。申請書には、次のような事項を書きます(同法5条1項)。
- 氏名または名称・住所、法人の場合は代表者と役員
- 営業所の名称・所在地と、営業所ごとに扱う古物の区分(13区分)
- 営業所ごとの管理者
- 行商(営業所以外の場所での取引。イベントの仮設店舗を含む)をするかどうか
- ウェブサイトで古物を扱う場合は、そのURL
13区分は、美術品類・衣類・時計宝飾品類・自動車・自動二輪車及び原動機付自転車・自転車類・写真機類・事務機器類・機械工具類・道具類・皮革ゴム製品類・書籍・金券類です(古物営業法施行規則2条)。トレーディングカードがどの区分かを警察庁が明示した資料は確認できませんでした。申請の際に所轄の警察署へ確認してください。なお、当社は「道具類」として許可を受けています(埼玉県公安委員会 第431010070328号)。
行商をするかどうか、URLを使うかどうかは、後から変える場合に変更の届出が必要になります。イベント出店やネット販売の予定があれば、申請の時点で整理しておくと手戻りが減ります。
5. 許可を受けたあとに守ること
| 場面 | 主な義務 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 買い取るとき | 相手方の確認(本人確認)、不正品の疑いがあれば警察官への申告(15条) | 非対面取引の本人確認 |
| 取引のたび | 帳簿等への記載・記録と3年間の保存(16条・18条) | 古物の帳簿の付け方 |
| ネットで売るとき | URLの届出、サイトへの氏名等の表示(5条・7条・12条) | URL届出とサイトの表示 |
| イベントで買い取るとき | 仮設店舗の届出(14条)、許可証の携帯(11条) | イベント出店と古物営業法 |
| 営業所 | 標識の掲示(12条1項)、管理者の選任(13条) | — |
当社との取引について
株式会社めんつゆハイブリッドは、古物商許可を受けてトレーディングカードの販売・卸売・海外販売を行っています。カードショップ・販売事業者の方からの仕入れのご相談は、お問い合わせフォームでお問い合わせ種別「卸売・仕入れのご相談」をお選びください。商品の取扱状況とお取引条件は、ご相談の内容を確認して個別にご案内します。ご相談の流れは法人取引のご案内をご覧ください。
なお、当社は許可の要否についての個別のご相談(法律相談)はお受けしていません。許可の判断は所轄の警察署へお問い合わせください。
出典(2026年10月27日確認)
- e-Gov法令検索「古物営業法」2条・3条・5条・11条〜16条・18条・31条:https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- e-Gov法令検索「古物営業法施行規則」2条:https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50400000010
- 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」令和8年5月14日(第2の1、第3の1・2・4):https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/seiki/20260514kobutsukaishaku.pdf
- 福島県警察本部「古物営業を営まれる方へ」(許可の対象から除かれる営業の例、申請先):https://www.police.pref.fukushima.jp/03.tetuduki/-seian/kobutu/itonamarerukatahe.pdf
本記事は、2026年10月27日時点の法令・公表情報をもとにした一般的な解説です。