結論:トレーディングカードの仕入れ先が実在する事業者か、古物を扱う許可を持っているか、請求書で仕入税額控除ができる相手かは、公的に公開されている3つの情報と、相手のサイトの表示を突き合わせると確かめられます。見るのは「公安委員会が公表する古物商の情報」「国税庁法人番号公表サイト」「国税庁インボイス公表サイト」の3つです。名称・所在地・番号が一致しているかを、取引の前に一度照合しておくと安心です。
この記事でわかること
- 仕入れ先のサイトで、最初に集めておく情報
- 古物商許可・法人番号・インボイス登録を、公的なサイトで照合する手順
- 照合しても分からないことと、取引条件として書面で確かめておくこと
この記事は、カードショップやEC事業者など、トレーディングカードを事業として仕入れる方に向けた確認の手順です。制度の内容は2026年10月27日に各官公庁の公開情報で確認しています。個別の取引が法令上どう扱われるかは、所轄の警察署・税務署や専門家にご確認ください。
1. まず仕入れ先のサイトで集める情報
照合の材料は、相手のウェブサイトに書かれているはずです。次の情報を控えておきます。
| 集める情報 | どこに書かれていることが多いか | 書かれている理由 |
|---|---|---|
| 事業者の正式な名称・所在地・電話番号、代表者または責任者の氏名 | 「特定商取引法に基づく表記」 | 通信販売をする事業者は、広告に名称・住所・電話番号などを表示することになっています。法人は登記上の名称で、屋号だけの表示は認められません(消費者庁「特定商取引法ガイド」)。表示が見当たらない項目は、取引の前に問い合わせて確認します。 |
| 古物商の許可証番号と、許可をした公安委員会の名称 | サイトの下部、会社概要、特商法の表記 | ウェブサイトで古物を扱う古物商は、名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号を、取り扱う古物と共にサイトに表示します(古物営業法12条)。 |
| 法人番号(13桁) | 会社概要 | サイトに載っていないこともあります。その場合は、名称と所在地で検索します。 |
| インボイスの登録番号(T+13桁) | 請求書・見積書、会社概要 | 登録番号は請求書(インボイス)の記載事項です。サイトに載っていない場合は、取引前に問い合わせて確認します。 |
古物商のサイト上の表示には免除があります。常時使用する従業者が5人以下の場合などは表示義務が免除されますが、ウェブサイトを使って古物の取引をする古物商(法律上の「特定古物商」)にはこの免除が適用されません(古物営業法12条2項・3項、同施行規則13条の2、警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」)。中古品や鑑定品をサイトで販売しているのに許可番号の表示が見当たらない場合は、確認を求めてよい項目です。
2. 照合1:古物商許可を公安委員会の公表で確かめる
ウェブサイトで古物を取引する古物商は、許可の申請や変更の届出でサイトのURLを公安委員会に届け出ます。公安委員会は、その古物商の氏名または名称、URL、許可証の番号を自らのウェブサイトで公表します(古物営業法5条1項6号・8条の2)。公表するのは、その古物商に許可を出した都道府県の公安委員会です。URLの届出の期限や、古物商がサイトに表示する内容は、古物商のURL届出とウェブサイトの表示で説明しています。
- 相手のサイトに書かれた許可証番号と、許可をした公安委員会の名称(「埼玉県公安委員会」など)を控える。
- その都道府県の公安委員会(または警察)のサイトで、古物商の一覧のページを開く。たとえば埼玉県公安委員会は「古物商に関する事項」の中で、フリガナの五十音順に一覧を掲載しています。
- 名称・許可証の番号・URLが、相手のサイトの表示と一致するかを見る。
埼玉県公安委員会の一覧では、番号・許可証の番号・氏名または名称・フリガナ・ホームページのURL・更新日が並んでいます(2026年10月27日確認。一覧のページの掲載日は2026年10月1日)。
補足:一覧に見当たらなくても、すぐに無許可とは限りません。①URLを使わずに営業している古物商は一覧の対象外、②届出から掲載まで時間がかかる(警察庁の基準では、公安委員会は届出の日から20日以内を目安に更新するとしています)、③許可を出したのが別の都道府県、といった理由がありえます。見当たらないときは、許可を出した公安委員会と許可証番号を相手に確認してください。
3. 照合2:法人番号公表サイトで名称と所在地を確かめる
相手が法人なら、国税庁の「法人番号公表サイト」で、商号または名称・本店または主たる事務所の所在地・法人番号(基本3情報)を確認できます。名称や所在地の一部、法人番号のどれからでも検索でき、公表後の変更履歴も見られます。
- サイトの名称・所在地と一致しているか。
- 最近、名称や所在地が変わっていないか(変わっていれば、許可やインボイスの情報も変更されているかを合わせて見ます)。
個人事業者には法人番号がありません。その場合は、特商法の表記の氏名・住所と、古物商の公表の氏名、インボイス公表サイトの氏名(公表を希望した場合は屋号や事務所の所在地)を照合します。
4. 照合3:インボイス公表サイトで登録の有無を確かめる
課税事業者である仕入れる側は、原則として売り手から受け取ったインボイスを保存しないと仕入税額控除を受けられません。売り手が登録事業者かどうかは、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認します。
- 登録番号は「T」+13桁の数字です。法人番号を持つ法人は「T+法人番号」になるため、照合2の法人番号と数字がそろっているかも確認できます(国税庁「インボイス制度に関するQ&A」問18)。
- 公表サイトで公表されるのは、名称(法人は本店または主たる事務所の所在地も)、登録番号、登録年月日、登録の取消・失効があればその年月日です(同Q&A 問19)。
- 検索は「T」を除いた13桁を入力します。1回に10件まで、まとめて検索できます。
登録がない相手からの仕入れでも取引はできますが、消費税の計算が変わります。2026年10月1日からの取扱いは、卸からトレカを仕入れるときの請求書の確認で整理しています。
5. 照合表:一致を見るポイント
| 確かめること | 見る場所と一致を見るポイント | 一致しないとき |
|---|---|---|
| 古物を扱う許可 | 都道府県の公安委員会の古物商の公表で、名称・許可証の番号・URL | 許可を出した公安委員会と許可証番号を相手に確認する。URLが違う場合は届出の時期を聞く |
| 法人としての実在 | 法人番号公表サイトで、名称・所在地・法人番号と変更履歴 | 名称変更・移転の有無を確認し、請求書の宛名・発行者名と合うかを見る |
| インボイスの登録 | 適格請求書発行事業者公表サイトで、登録番号(法人はT+法人番号)・名称・登録年月日・取消や失効の有無 | 未登録・失効なら、仕入税額控除の扱いを経理担当・税理士と確認してから条件を決める |
| 通信販売の表示 | 相手のサイトの特商法の表記で、名称・住所・電話番号・責任者 | 屋号だけ、または住所が番地まで書かれていない場合は、正式な名称と所在地を確認する |
表は、公的に公開されている情報で照合できる範囲をまとめたものです。
6. 新品か古物かで、確かめる重みが変わる
古物営業法の「古物」には、未使用でも「使用のために取引されたもの」が含まれます。警察庁の解釈運用基準は、小売店などから一度でも一般消費者の手に渡った物品は、未使用でも古物に当たるとしています。
- メーカーや卸売業者から流通している新品を仕入れる場合、相手が古物商である必要は通常ありません。法人としての実在とインボイスの登録の確認が中心になります。
- 一般の方から買い取ったカードや、開封済み・鑑定済みのカードなど、古物を事業として仕入れて売っている相手であれば、古物商許可を持っているはずです。照合1の重みが増します。
自社がどちらに当たるかの判断は、トレカの仕入れ・販売に古物商許可は必要かにまとめています。
7. 照合しても分からないこと:取引条件は書面で確かめる
公的な情報で分かるのは「相手が誰で、どんな登録があるか」までです。商品が実際にあるか、状態が説明どおりか、どの条件で取引するかは、照合では分かりません。取引を進める前に、次の点を見積書・注文書・メールなどの書面で確かめておくと、行き違いを防げます。
- 商品の特定(タイトル・商品名・型番、鑑定品なら鑑定会社とグレード)と数量
- 単価・合計額と、税込か税別か、送料など本体以外の費用
- 支払方法と支払時期、発送の時期と方法
- 届いた商品が注文と違った場合の連絡期限と対応
- 請求書の発行者名と登録番号(照合3の結果と同じか)
8. 当社の情報を確かめたい場合
株式会社めんつゆハイブリッドは、トレーディングカードの販売・卸売・海外販売を行う古物商です(埼玉県公安委員会 第431010070328号)。会社名・所在地・法人番号・古物商許可番号は会社概要と特定商取引法に基づく表記に掲載しています。
トレーディングカードの仕入れ・卸売のご相談
当社では、カードショップ・販売事業者の方からの仕入れのご相談を承っています。ご希望の商品・数量・時期・配送先を分かる範囲でお知らせください。取扱状況とお取引条件は、内容を確認して個別にご案内します。
お問い合わせフォームでは、お問い合わせ種別で「卸売・仕入れのご相談」または「法人取引のご相談」をお選びください。ご相談の流れは法人取引のご案内に掲載しています。
出典(2026年10月27日確認)
- e-Gov法令検索「古物営業法」5条・8条の2・12条:https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- e-Gov法令検索「古物営業法施行規則」13条の2:https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50400000010
- 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」令和8年5月14日(第2の1(2)、第5の4、第7、第11の2・3):https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/seiki/20260514kobutsukaishaku.pdf
- 埼玉県公安委員会「古物商に関する事項」(許可を受けた古物商の業者一覧):https://www.pref.saitama.lg.jp/kouaniinkai/kobutu/kobutu.html
- 国税庁「法人番号公表サイト」:https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
- 国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」:https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/
- 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問18・問19:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」通信販売の広告について:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/advertising.html
本記事は、2026年10月27日時点の法令・公表情報をもとにした一般的な解説です。