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古物商特例とは|トレカの買取仕入れで帳簿に書くこと

結論:古物商が、インボイスを交付できない一般の方などから販売用の古物(トレーディングカードを含む)を買い取った場合は、インボイスがなくても、一定の事項を書いた帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます。これが「古物商特例」です。帳簿には「古物商特例の対象である旨」を書き、古物営業法で相手方の住所・氏名を記録する取引(原則として対価の総額が1万円以上)では、相手方の住所と氏名も書きます。

この記事でわかること

  • 古物商特例を使える取引・使えない取引
  • 帳簿に書く5つの事項と、古物台帳との組み合わせ方
  • フリマアプリ・オークションでの仕入れと、匿名取引の扱い

この記事は、一般の方からトレーディングカードを買い取る古物商(カードショップ・買取事業者)で、消費税の課税事業者の方向けです。国税庁「インボイス制度に関するQ&A」問106・問106-2・問110(令和8年4〜5月改訂)を2026年10月27日に確認しています。簡易課税制度などを使っている場合、仕入税額の計算にこの特例は関係しません。個別の扱いは税務署や税理士にご確認ください。

1. 古物商特例を使える取引

次の条件をすべて満たす仕入れが対象です(消費税法30条7項、消費税法施行令49条1項1号ハ(1)、国税庁 Q&A 問106)。

  • 買い手が、古物営業法の許可を受けて古物営業を営む古物商である
  • 相手方が、適格請求書発行事業者以外の者である(一般の方、免税事業者など)
  • 買い受ける物が、古物営業法の「古物」(またはそれに準ずる物)で、古物商が事業として販売する棚卸資産である
取引古物商特例
一般の方から、販売用にカードを買い取る使える
登録していない個人事業者から、販売用にカードを買い取る使える
相手が適格請求書発行事業者(登録あり)使えない。相手からインボイスを受け取って保存する
自社で使う備品・固定資産として買う使えない(棚卸資産ではないため)
古物商ではない事業者が買い取る使えない。条件を満たせば、免税事業者等からの仕入れの経過措置(2026年10月1日以後は70%)の対象

なお、適格請求書発行事業者である個人事業者でも、事業とは関係なく消費者として売る場合は、適格請求書発行事業者以外の者として扱って差し支えないとされています(問106-2 注2)。

2. 帳簿に書く5つの事項

帳簿のみの保存で仕入税額控除を受ける場合の記載事項は、次の5つです(国税庁 Q&A 問110)。

  1. 課税仕入れの相手方の氏名または名称と、住所または所在地(古物台帳に相手方の住所・氏名を記載することとされていない取引では不要)
  2. 課税仕入れを行った年月日
  3. 課税仕入れに係る資産の内容
  4. 課税仕入れに係る支払対価の額
  5. 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる仕入れに該当する旨(例:「古物商特例」)

古物台帳と総勘定元帳を組み合わせてよい

古物営業法の帳簿(いわゆる古物台帳)には、取引の年月日、品目と数量、特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢、確認の方法を書きます(古物営業法16条)。国税庁は、古物台帳に1〜4が記載されていることになるため、古物台帳と、5(特例に当たる旨)を書いた総勘定元帳などを合わせて保存すれば、帳簿の要件を満たせるとしています(問110 参考1)。

消費税の帳簿の記載事項古物台帳の記載事項(古物営業法16条)
1 相手方の氏名・住所相手方の住所・氏名・職業・年齢
2 年月日取引の年月日
3 資産の内容古物の品目・数量・特徴
4 支払対価の額古物営業法16条の記載事項には含まれない。台帳に金額の欄を設けるか、仕入れの元帳などで金額をひも付ける
5 特例に当たる旨古物台帳にはない。総勘定元帳の摘要などに「古物商特例」と書く

国税庁は「古物台帳には1〜4が記載されていることになる」と説明していますが、古物営業法16条の記載事項に金額は含まれていません。自社の古物台帳に金額を記録していない場合は、仕入れの元帳などで取引ごとに金額をひも付けておきます。

保存期間に注意:古物台帳も7年

古物営業法では、帳簿等は最終の記載をした日から3年間保存します(古物営業法18条)。一方、消費税の帳簿として使う場合、古物台帳も帳簿の保存期間(課税期間の確定申告書の提出期限の翌日から7年間)保存する必要があります(問110 参考1、消費税法施行令71条2項)。古物営業法の3年だけを見て廃棄しないよう、保存のルールを決めておきます。

3. 1万円の線と、住所の記載

古物営業法では、対価の総額が1万円未満の取引は、相手方の確認と帳簿への記載が免除されます(自動二輪車・原付、家庭用ゲームソフト、CD・DVDなどの光ディスク、書籍などの例外を除く)。トレーディングカードは、この例外の品目には入っていません(古物営業法施行規則16条)。

  • 古物台帳に相手方の住所・氏名を記載することとされている取引(原則として1万円以上):消費税の帳簿にも、相手方の住所と氏名が必要です。
  • 古物台帳への記載が免除される取引(1万円未満):住所の記載は不要で、匿名の取引でも古物商特例を使えます(問106-2)。

1万円の判定で注意したいこと:警察庁の解釈運用基準は、古物営業法の「対価の総額」の1万円には消費税を含まないと説明しています(第14の4(1))。一方、国税庁 Q&A 問110の参考では「対価の総額が1万円以上(税込み)」と書かれています。税込では1万円を超え税抜では1万円未満となる取引で扱いが分かれうるため、古物台帳に記載する取引の範囲を自社でどう決めているかに合わせて、消費税の帳簿にも住所・氏名を書くかを決めてください。迷う場合は、住所・氏名を記録しておく方が安全です。判断は所轄の警察署・税務署にご確認ください。

また「対価の総額」は、一度に持ち込まれた物の対価をすべて足した額で、1枚ずつの単価ではありません(警察庁 解釈運用基準 第14の4(1))。古物台帳の付け方は古物の帳簿(古物台帳)の付け方で説明しています。

4. フリマアプリ・オークションで仕入れる場合

古物商がフリマアプリやネットオークションで仕入れる場合も、出品者が適格請求書発行事業者でなければ古物商特例を使えます(問106-2)。

  • 出品者が登録していれば、適格簡易請求書を受け取って保存します。
  • メッセージ機能などで「登録事業者として売る場合は登録番号を教えてください。連絡がなければ消費者としての譲渡と考えます」と確認し、連絡がなければ、登録していない者として扱って差し支えないとされています(問106-2 注2)。
  • 1万円以上の古物の仕入れでは、古物営業法の方法で相手方を確認する必要があります。非対面での確認方法は古物の非対面取引の本人確認で説明しています。

5. 導入前の確認リスト

  • 買い取る相手が登録事業者かどうかを、買取の申込みの時点で確認する手順がある
  • 古物台帳に、相手方の住所・氏名、取引年月日、品目・数量・特徴、確認方法、金額が残る
  • 仕入れの元帳の摘要に「古物商特例」など、特例に当たる旨を記載している
  • 古物台帳を、消費税の帳簿として7年間保存するルールにしている
  • 販売用(棚卸資産)と、自社で使う物の仕入れを区別して記録している

当社との取引について

株式会社めんつゆハイブリッドは、古物商許可を受けてトレーディングカードの販売・卸売・海外販売を行っています。カードショップ・販売事業者の方からの仕入れのご相談は、お問い合わせフォームでお問い合わせ種別「卸売・仕入れのご相談」をお選びください。取扱状況とお取引条件は、内容を確認して個別にご案内します。当社は税務のご相談はお受けしていません。

出典(2026年10月27日確認)

本記事は、2026年10月27日時点の法令・公表情報をもとにした一般的な解説です。

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