結論:海外へ販売したトレーディングカードを消費税の免税(輸出免税)にするには、「輸出したことの証明」を7年間保存する必要があります。何を残すかは送り方と価格で変わり、20万円以下の国際郵便なら日本郵便の引受けを証する書類と発送伝票等の控え、それ以外は輸出許可書が基本です。さらに2026年10月1日以後の輸出取引で、代金を現金など「取引相手からの支払いと明らかでない方法」で受け取る場合は、仕向国の輸入許可書などの保存も必要になりました。
この記事でわかること
- 輸出免税の対象になる取引と、課税事業者であることの前提
- 送り方・価格ごとに保存する証明書類
- 2026年10月1日からの代金の受け取り方による追加の書類
この記事は、海外へトレーディングカードを販売・卸売する課税事業者の方向けです。国税庁タックスアンサー No.6551(令和8年4月1日現在法令等)を2026年10月27日に確認しています。個別の適用は税務署や税理士にご確認ください。
1. 輸出免税とは
課税事業者が国内から輸出として行う資産の譲渡は、消費税が免除されます(消費税法7条)。海外の取引先へトレーディングカードを販売して日本から送り出す取引は、ここに当たります。ただし、免税を受けるには、その取引が輸出であることを証明する書類を、納税地などに7年間保存しておく必要があります(国税庁 No.6551)。
免税事業者は消費税の納税義務がないため、この制度の対象外です。輸出免税と、輸出のための仕入れに含まれる消費税の控除は、課税事業者であることが前提です。仕入れの消費税を控除するときに受け取る請求書(インボイス)の確かめ方は、卸からトレカを仕入れるときの請求書の確認で説明しています。
2. 送り方・価格ごとに保存する証明書類
| 送り方・価格 | 保存する証明書類 |
|---|---|
| 輸出申告をして輸出の許可を受けた貨物(国際宅配便・航空貨物など) | 輸出許可書(税関長が証明した書類) |
| 郵便物で、資産の価額が20万円超 | 輸出許可書 |
| 郵便物で、資産の価額が20万円以下の小包郵便物・EMS | 日本郵便から交付を受けた引受けを証する書類と、発送伝票等の控え。①輸出した事業者の氏名・名称と住所等、②品名と品名ごとの数量・価額、③受取人の氏名・名称と住所等、④日本郵便の引受けの年月日 が書かれていること |
| 郵便物で、資産の価額が20万円以下の通常郵便物 | 日本郵便から交付を受けた引受けを証する書類に、品名と品名ごとの数量・価額を追記したもの |
輸出許可書などには、電磁的記録も含まれます(国税庁 No.6551)。運送会社のサイトで輸出許可のデータを受け取る場合は、取引ごとにダウンロードして保存しておきます。
20万円の判定のしかた
ここでいう資産の価額は、FOB価格(本船渡し条件の価額)で、原則として郵便物の現実の決済金額(輸出する物品の販売金額など)です。判定は原則として郵便物1個あたりで行いますが、同じ受取人に2個以上に分けて差し出す場合は、合計額で判定します(国税庁 No.6551 注1)。1回の注文を複数の箱に分けて郵送するときは、合計で20万円を超えていないかを確認してください。
3. 2026年10月1日から:代金の受け取り方による追加の書類
2026年10月1日以後に行う輸出取引のうち、代金を現金、または支払いが取引相手からのものであることが明らかでない方法で受け取る場合は、上の証明書類に加えて、仕向国(輸出先)の税関が発行する輸入許可書など、輸入の事実を証する書類(電磁的記録を含む)の保存が必要です(国税庁 No.6551)。
| 代金の受け取り方 | 追加の書類 |
|---|---|
| 取引相手からの銀行振込 | 不要(取引相手からの支払いと明らかでない方法に当たらない) |
| 荷為替手形による決済 | 不要(同上) |
| 現金で受け取る | 仕向国の輸入許可書など |
| 暗号資産交換業者を介さずに暗号資産で受け取る | 仕向国の輸入許可書など |
| 取引相手以外の者から銀行振込などで受け取る(保証人など、代金の支払義務を負うことが明らかな者を除く) | 仕向国の輸入許可書など |
表の分類は国税庁 No.6551 に挙げられた例です。決済サービスや仲介サイト経由の入金など、表にない受け取り方がどちらに当たるかは、税務署や税理士に確認してください。
仕向国の輸入許可書は、取引先(輸入する側)が持っている書類です。この方法で代金を受け取る取引がある場合は、取引の前に、輸入許可書の写しを提供してもらえるかを取引先と取り決めておくと、後から集めるより確実です。
4. 書類をそろえるための実務の手順
- 取引ごとに、請求書(インボイス)・発送の控え・輸出許可書または引受けを証する書類を、同じ取引番号でひも付けて保存する。
- 郵便で送る場合は、税関告知書・発送伝票の品名・数量・価額を、請求書と同じにする。
- 同じ受取人への分割発送は合計額で20万円を判定する。超える場合、輸出免税の証明には輸出許可書が必要になるため、輸出申告をして許可を受ける。
- 代金の受取方法を取引ごとに記録し、2026年10月1日以後の取引で該当する場合は、仕向国の輸入許可書などを取り寄せて保存する。
- 保存期間(7年間)が終わるまで、電子データの保存場所と検索方法を決めておく。
税関での手続きそのもの(輸出申告が要るかどうか)は、トレカを海外へ送るときの輸出通関で説明しています。
当社の海外向け販売・卸売について
株式会社めんつゆハイブリッドは、海外の販売店・事業者・バイヤーへのトレーディングカードの販売・卸売を行っています。当社からの仕入れをご検討の海外の事業者の方は、英語のお問い合わせフォーム、またはお問い合わせフォームの種別「海外取引・輸出のご相談」からご連絡ください。取扱状況とお取引条件は、内容を確認して個別にご案内します。当社は、税務や輸出手続きのご相談・代行はお受けしていません。
出典(2026年10月27日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.6551「輸出取引の免税」(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6551.htm
- 税関 カスタムスアンサー 6201「外国へ郵便物を送る場合の手続」:https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/kokusaiyubin/6201_jr.htm
本記事は、2026年10月27日時点の法令・公表情報をもとにした一般的な解説です。